中小企業の賃上げ トップ> 「実質賃金」とは

「実質賃金」のダウンは必至

「実質賃金」。この言葉が今年の春闘のキーワードです。そこで、このワードの意味を解説します。

最近新聞紙上で話題になっている「実質賃金」とは何か?

従業員に支払われた賃金額(名目賃金)をその時点の消費者物価で除して算定した賃金のことを言う。賃金額が2割増しの状況であっても、消費者物価が2割上がれば、実質賃金に変化は発生しない。


消費税が上がると、消費者物価指数も上がるのか?

はい、その通りです。消費税などの間接税は、消費支出に含まれているので、商品の価格の一部として消費者物価指数に含めています。


「実質賃金」は最近どうなっているか?

役所の発表したデータを元に作ったのが添付のグラフです。平成25年の平成賃金と物価のグラフです。全国では実質賃金はマイナスとのことですが、東海は例外的に今年度に入ってから、物価の上がり方よりも賃金の上昇ペースの方が早い月が多くなっているのが特徴です。
東海地方の賃金と物価の動き


実質賃金を考える際に、何が要素か?

北見昌朗は主に4つを考えます。
①消費税率アップ
②モノのインフレ
③社会保険料のアップ
④電力代アップ


実質賃金が維持されるには、どれだけの賃上げが必要か?

仮に賃金が30万円だったとします。手取りが8割とすれば、24万円が可処分所得です。
①24万円×3%分=消費税分
②24万円×物価上昇分(消費税分を除く)=インフレ分
③社会保険料アップ分
④電力代アップ分
①から④を合計すると、ゆうに1万円を超えます。


当社は、従業員Aさんの賃金改定を検討中です。Aさんは前年に18歳で、初任給17万円で入りました。今年は勤務年数1年目です。Aさんの「実質賃金」が減らないようにするには、いくらの賃上げが必要か?当社では年に5000円の定期昇給をしています。

「実質賃金」が減らないようにするには、ベアだけで1万円必要です。その上で定期昇給5000円をしないと、実質賃金が減ることになります。


1万5000円なんて昇給は現実的に無理です。

もちろん不可能な数字だと思います。従いまして、労働者のほとんどが「実質賃金」が下がることが必至だと、北見昌朗は考えています。